ブルースコード
-Chapter69-
―なんか、大人だコイツ…「それはね、いいんだ別に。ちゃんとメールとかくれるし。ただね…」「ただ?」「時々わかんなくなる。アタシと音楽とどっちが大切なんだろう?って。もちろん、比べられるモンじゃないっていうのは解ってる。でもね、アタシといる時でも、時々どっか遠くを見てるってゆーか、ボーッと何か考えてる…キサくんもさ、音楽やってるじゃん?だから、どんなこと考えてんのかなー…と思って」「う〜ん…わからん。オレはその人じゃないし。ただ、最近時々頭にフッと音が浮かぶことはあるなぁ。その時は頭ん中でただひたすらその音を追いかけてる。忘れないように何回も。そういう時は何も見えないし何も聞こえない。ってことならあるよ?」「ふーん……キサくんも彼女いるよね?そのコのこと好き?」「うん」「もしバンドやめてくれなきゃ別れるって言われたらどうする?」「…ノーコメント」「えーそれズルイよ〜」「そのときになんなきゃわかんねーよ。ってかなんでこんな話オレにするわけ?」「えーだって誰かに聞いてもらいたかったし。アタシ、キサくんけっこう'お気に'だから」そう言って鈴は小悪魔的な笑顔を見せた。
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